ダーウィンの土手

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【書評】進化から意識を考える:ハンフリー「ソウルダスト」

ソウルダスト――〈意識〉という魅惑の幻想

ソウルダスト――〈意識〉という魅惑の幻想

動物心理学者が、意識という哲学的なテーマを生物学的な視点から鋭く論じた好書。「赤を見る」の続編。意識の進化に関心がある人にお勧めです。

自然科学という客観的な枠組みの中で、意識という主観を考えなければいけないため、どうしても解けない謎が生じてしまう。それを解決するために、意識は脳が作った一種のマジックショーという仮説を提唱。これまで神経科学が論じていた意識の話はいつも、適応的意義(究極要因)に関する議論が恐ろしく浅く、なぜ意識が進化したのか疑問に感じていたので、今回の議論は叩き台として興味深かった。当たり前に感じていたこと(秘私性、外界への関心、夢と魂)を別の視点でみるとこれほど不思議な事なのかと感心してしまった。特に魂の不死性に関する議論は興味深い。

詩や先人の文章から多様な引用を用いて、教養豊かに議論を展開。文学や芸術こそ、こういった自我の問題を考察するのにうってつけなのかもしれない。

この本の議論をもとに何か動物で研究できないだろうか?意識の段階性のあたり、実証できれば面白いのだけど。ほんの少し残念なのは神経科学の発展に期待で終わってしまうこと、それでは至近要因という別の要因の話になってしまうので、せっかくの進化的な視点が台無しだと感じた。

関連読み物

この本の前編。短い論考で講義調。原著の方が読みやすいかも。

赤を見る―感覚の進化と意識の存在理由

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ハンフリーといえばこの随筆集。ビックリするような独特な視点はこの頃から顕在。

喪失と獲得―進化心理学から見た心と体

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最近の神経科学から「意識」の系統進化を考察した本らしい。

意識の進化的起源: カンブリア爆発で心は生まれた

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